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文化譜の音の長さと休符|下線・拍子を手拍子で読む

文化譜のリズムを読むときは、数字の個数よりも、一つずつの音と休みがどれだけの時間を使うかを確かめます。数字の下の線で長さを読み、休符の時間も加えると、小節の中で音を出す位置が分かります。

ここでは4分音符を1拍として、下線のない音、下線1本の音、下線2本の音と休符を読みます。楽器を持つ前に、声で数えながら手拍子で確かめる練習です。短い音が増えても、拍を数える速さを保つことから始めましょう。

このページで使う記号の約束

練習例には、SHAMISEN LAB「三味線用の楽譜の読み方 基礎編」(2021年1月8日)で説明されている下線式を採用します。下線なしは4分音符、1本は8分音符、2本は16分音符です。休符は黒丸の●で示し、同じ本数の下線で長さを区別します。

手元の譜本へ読み方を移すときは、その本の凡例を先に確認してください。このページの記号見本は、糸を表す三本線を省いたリズム用の抜き出しです。数字には開放弦を示す0を使いますが、糸や調弦、撥の使い方を指定した曲の譜面ではありません。

拍と小節のまとまりを確かめる

拍は、リズムを数えるときの基準です。4分の2拍子では、4分音符を1拍として「1、2、1、2」と数え、二拍ごとに一小節になります。4分の4拍子なら「1、2、3、4」で一小節です。譜面の縦の区切りが小節線で、数字の下に付く短い線とは働きが違います。

拍子記号は2/4、4/4のように表すこともあります。この二つでは、下の4が4分音符を基準にすることを、上の2や4が一小節に入る個数を示します。ここで数えるのは4分音符に換算した長さです。実際に並ぶ数字が二個、四個に限られるわけではありません。

一方、テンポは演奏する速さです。同じ4分の2拍子でも、ゆっくり数える場合と速く数える場合があります。以下の練習では途中で速さを変えず、二拍の中に音や休みをどう入れるかを確かめます。

下線が一本増えると長さは半分になる

次の三つは、どれも0という同じ音の指定です。違うのは下線と、その音に割り当てられる長さです。4分音符を1拍とした対応を見てみましょう。

下線なし 0 4分音符 1拍分

下線1本 0 8分音符 半拍分

下線2本 0 16分音符 4分の1拍分

8分音符は二つで1拍、16分音符は四つで1拍になります。したがって4分の2拍子の一小節には、8分音符だけなら四つ、16分音符だけなら八つが入ります。「16分」という名前は、16拍のばすという意味ではありません。

数字の大きさと長さは別々に読みます。下線のない0を3に替えても長さは1拍のままです。反対に、同じ0でも下線を1本加えれば半拍になります。勘所の数字を数えてリズムを決めず、それぞれの下線まで見るようにしましょう。

黒丸の休符も同じ長さで数える

採用した下線式では、●が休符です。0は音を出す開放弦、●は音を休む記号として区別します。休む長さは黒丸の下線で読みます。

下線なし ● 4分休符 1拍分休む

下線1本 ● 8分休符 半拍分休む

下線2本 ● 16分休符 4分の1拍分休む

休符があっても、その時間は小節の中に含まれます。たとえば4分音符一つと4分休符一つなら、音は一回だけ出しますが、長さの合計は2拍です。休符を飛ばして次の小節へ進むと、一拍早く入ってしまいます。

ここでの手拍子練習では、休符の場所で手を打たず、声のカウントを続けます。三味線の余韻をどう扱うか、どの動作で音を止めるかは別の実技です。その点は使う教材の演奏例や指導で確かめてください。

半拍の休みを手拍子で確かめる

まず、二拍を「1・と・2・と」と声に出して数えます。四つの言葉を同じ間隔で置き、「1」と次の「2」の間を二等分します。「と」は新しい拍番号ではなく、半拍の位置を確かめるための言葉です。

練習Aは、8分休符、8分音符、4分音符の順です。長さは「半拍休む、半拍鳴らす、1拍鳴らす」で、合計2拍になります。先頭から音が出る例とは違い、最初の半拍を待ってから手拍子が始まります。

練習A ●(下線1本) 0(下線1本) 0(下線なし)

「1」では打たず、最初の「と」で一回打ち、「2」で一回打ちます。最後の「と」では打ち直しません。「1・と・2・と」という声は、打たない場所でも同じ間隔で続けます。手拍子の回数は二回、数えた時間は二拍です。

続けて練習Bを試します。今度は8分音符、8分休符、4分音符の順です。休符を前半から後半へ移しただけですが、音の出る位置が変わります。

練習B 0(下線1本) ●(下線1本) 0(下線なし)

Bで手を打つのは「1」と「2」です。最初の「と」は休符なので打ちません。AとBはどちらも二回の手拍子で2拍ですが、最初に打つ位置が半拍違います。回数だけで合っているかを確かめず、声のどこで手を打ったかを比べましょう。

16分音符は一拍を四つに分ける

16分音符を読むときは、一拍を四つの同じ長さに分けます。ここでは位置の目印として「1・a・b・c、2・a・b・c」と数えます。a、b、cはこの練習だけの補助表示で、文化譜や口三味線の正式な記号ではありません。

練習Cの一拍目は、16分音符、16分音符、8分休符です。二拍目は4分音符一つにします。一拍目の計算は「4分の1拍+4分の1拍+半拍=1拍」です。記号が三つあっても、それぞれが同じ長さとは限りません。

練習C 0(下線2本) 0(下線2本) ●(下線1本) 0(下線なし)

手を打つ位置は「1」、続く「a」、そして「2」です。一拍目の「b」と「c」は、一つの8分休符に当たります。二拍目は「2」で打った後、次の小節の「1」まで打ち直しません。下線2本の音が出てきても、一拍そのものを短くしないように数えます。

手拍子は音を出す瞬間を確かめる練習なので、4分音符の長さだけ音を保ち続けるものではありません。声のカウントを残すことで、次の音までの間隔を確かめます。数えながら打つのが難しい場合は、先に声だけで位置を確認してから重ねてみましょう。

一小節の合計と音を出す位置を確かめる

4分の2拍子の短い読解問題です。次の順に並ぶ一小節について、合計が何拍になるか、どこで手を打つかを考えてみてください。

問題 8分音符、16分休符、16分音符、4分休符。

長さは半拍、4分の1拍、4分の1拍、1拍です。合計は2拍なので、この練習の一小節に収まります。細かく数えるなら「1・a・b・c、2・a・b・c」の八つの位置になります。

手を打つのは「1」と、一拍目の「c」です。最初の8分音符が「1」から「b」の直前までの半拍を使い、「b」が16分休符、「c」が16分音符になります。二拍目は丸ごと休みです。「1」と「a」で続けて打つと、先頭の8分音符を16分音符と読み違えたことになります。

合計の計算は、休符や下線の見落としを探す手掛かりになります。ただし実際の曲で拍数が合わなくても、すぐに誤植とは決めないでください。曲の出だしの短い小節や途中の拍子変更など、前後の情報が必要な場合があります。まず凡例と小節の境目を読み直します。

手元の譜面へ戻るときの読み順

ここまでの練習で使ったのは、下線なし、下線1本、下線2本と、その長さに対応する黒丸の休符です。長くのばす印や付点、タイなどが出てきたら、基本の下線だけで長さを決めず、その譜本の説明も確認します。小さな点をすべて休符と読むことも避けましょう。

次は、使っている譜面の短い一小節を選びます。まず拍子と凡例を確認し、音と休みの長さを声で数え、手拍子で出音の位置を確かめます。最後に糸と勘所、奏法の印を合わせて読みましょう。リズムだけを読めた段階と、曲として演奏できる段階を分けて進めると、次に確かめたい点が見つかります。

参考資料

このページの下線と黒丸の読み方は、SHAMISEN LAB 三味線用の楽譜の読み方 基礎編を基準にしています。下線の説明はTORAFUKU 横書き三線譜の読み方、黒点を使う休符は秀洋生のWEB三味線講座の「楽譜に関する知識」でも扱われています。

拍子と速さの区別はヤマハ 楽譜の読み方 拍子記号とテンポ、音符と休符の基本はヤマハ 第2日 音の形を参照できます。A、B、Cと読解問題は、これらの長さの規則を使った独自の練習です。