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エレキ三味線と生音の三味線|構造と使う場面

エレキ三味線を選ぶときは、音を拾う仕組み、アンプにつながないときの音、必要な電源を分けて確かめます。「エレキ」という名前だけでは、夜間に静かに弾けるか、ヘッドホンを直接使えるかまでは分かりません。

皮の振動を拾う三味線もあれば、小型の胴へマイクを組み込み、生音を抑えるように作った製品もあります。ここでは夢絃21とE-SHABOの公開仕様を例に、楽器の作りと使う場面の関係を説明します。実際に試奏して音を順位づけした比較ではありません。

生音とスピーカーの音を分けて考える

通常の三味線は、三本の糸を駒で支え、胴に皮を張った弦楽器です。アンプなしで弾くと、楽器から直接出た音を聴きます。エレキ三味線でも糸や皮を使う製品があり、弾いたときの振動を電気信号として外へ送る仕組みが加わっています。

楽器から直接聞こえる音と、ケーブルを通してスピーカーから出す音は、別に確認する必要があります。本体のボリュームを下げることと、生音を小さくすることを同じに考えないようにしましょう。静かに練習したい場合は、アンプにつながずに弾いた状態が比較の出発点です。

また、この記事で紹介する二つの製品は、実際の糸を弾いて音を拾います。商品名に「エレキ」「電子」と書いてあっても、内蔵音源が三味線の音を合成する機器かどうかは、名前から決めず仕様を読みます。

夢絃21は皮の振動を拾う

三味線かとうの夢絃21には、表皮の裏側に取り付けた専用の振動ピックアップがあります。拾った信号は、胴に内蔵したプリアンプを通ります。プリアンプは、外へ送る前の信号を増幅したり、音質を整えたりする回路です。

この製品では、細棹、中棹、太棹の音に合わせて回路を調整したと説明されています。操作部には音量、低音、高音の調整があり、電源は本体に収める9V乾電池です。ケーブルの抜き差しで電源が切り替わる仕様も示されています。

ここから分かるのは、表皮、振動を拾う部品、内蔵回路を組み合わせた楽器だということです。メーカーの音作りの説明を、どのアンプでも同じ音になるという保証には置き換えられません。通常の三味線より生音が何割小さいか、電池が何時間もつかは、この商品説明では確認できません。

E-SHABOは内蔵マイクと小型の構造を確かめる

しゃみせん楽家のE-SHABOは、胴の中に三味線用のコンデンサーマイクを仕込んだ製品として案内されています。夢絃21の「表皮裏の振動ピックアップ」とは資料上の説明が異なります。両者を同じ集音方式としてひとまとめにはしません。

販売側のリニューアル案内には、全長78cm、重量580g、合成樹脂の皮と記載があります。さらに、生音が響きにくい皮の張り方を採用したと説明されています。静かさを意図した作りの例ですが、無音を意味するものではありません。糸を弾いたときの音や撥が当たる音も含め、使う部屋で支障がないかは別に確かめます。

E-SHABOの商品本文では、電源の供給方法、電池の種類、出力の電気的な数値までは確認できませんでした。コンデンサーマイクを使っているという説明だけで、外部から48Vの電源を送ってよいとは判断できません。購入する型の説明書で、電源と接続先の指定を確認してください。

旧型と現行の案内も分けて読みます。Itone Japanの販売ページには、掲載動画は旧モデルだという注記があります。動画で見える操作部や音を、そのまま購入予定の製品の仕様として扱わないようにしましょう。

出力端子があっても接続先の確認が要る

楽器にケーブルを差す場所があっても、接続できる機器がすべて同じとは限りません。確認するのは、端子の形、出力レベル、推奨する入力、電源の扱いです。出力レベルは信号の大きさを示します。インピーダンスの指定もある場合は、接続先と合うかをメーカーや音響担当者へ確認します。

たとえばローランドのAC-60は、ギター用とマイク/ライン用の入力を分け、入力レベルや切り替えを別に示しています。これは接続先にも条件がある例です。AC-60と二つの三味線の組み合わせを検証したものではなく、このアンプを推奨するための例でもありません。

「PAへ直接接続」と書かれた製品でも、使うミキサーの機種を伝え、どの入力へつなぐのかを確認すると具体的な準備ができます。ヘッドホンで練習したい場合は、ヘッドホン出力が本体にあるのか、別の機器が必要なのかを先に聞きます。アンプ用の出力を、そのままヘッドホン用と考えないようにします。

練習と舞台で優先する条件を決める

自宅で音を抑えたいなら、最初に確かめるのは生音です。アンプを使わない状態で、いつもの構えと撥で短い音を出し、同居する人が普段いる位置から聞いてもらいます。店頭で小さく感じたという印象だけでは、夜の自宅での聞こえ方は判断できません。試奏できない場合は、静音性が未確認のまま残ることを踏まえて選びます。

稽古のために買うなら、棹の長さや太さ、構えたときの胴の位置、使う撥を先生と確かめます。小型で軽いという特徴は持ち運びの判断に役立ちますが、普段習う楽器と同じ感覚で練習できるかは別の問題です。

舞台で使うなら、楽器の型名と接続説明を音響担当者へ渡します。使うケーブル、必要な電源、外へ出す信号、演奏者が聴く音の経路を相談しておくと、当日に端子だけを見て接続方法を決めずに済みます。具体的な音量調整やハウリング対策は、会場の機器と配置に合わせて行います。

試奏では二つの状態を別々に残す

比較するときは、まずアンプなしで弾いた音と扱いやすさを記録します。次に、接続を店の担当者に確認してもらい、使ったアンプ、入力、音量と音質の設定を控えます。音の印象は「生音が小さい」「増幅すると低音が強く感じる」のように、どの状態で聞いたものかを添えると後で比較できます。

音量を大きくした製品だけを有利に感じないよう、比較する際の音量も担当者とそろえます。これは試奏を整理するための方法であり、ここで紹介した機種を実測した結果ではありません。

最後に、皮の張り替えと電子部品の修理を誰へ頼めるかを確認します。内蔵部品のある楽器は、その部品を含む作業の受け付け先が分かると維持の計画を立てられます。電源、付属するケーブル、必要な周辺機器までそろえ、自分の練習や舞台で使う一式として選びましょう。

参考資料

三味線かとう エレクトリック三味線 夢絃21

しゃみせん楽家 E-SHABO

三味線ショップShamily E-SHABO

Itone Japan E SHABO Electric Shamisen Box

Roland AC-60 Acoustic Chorus

東京藝術大学 アジアの楽器図鑑 津軽三味線のいろいろな部分と道具