二上りの定番。ゆっくりの単音中心で、最初の一曲にちょうどいい。
さくらさくらは江戸時代からの伝承をもとに明治期に整えられた日本古謡で、三味線の教室でも一曲目に選ばれることが多い定番中の定番です。文化譜の世界に入って最初に手にする一曲として、多くの人がこの旋律から三味線の弦の響きに親しんできました。単音のゆったりした動きで曲全体が進むため、勘所の位置さえ覚えれば「弾けた」という実感をすぐに得られるのが魅力です。
この文化譜は二上り調弦で組まれています。二上りは本調子から二の糸を上げた調弦で、明るく澄んだ響きが出やすく、さくらさくらの旋律の雰囲気ともよく合います。弾き方のポイントは、三の糸を中心に「6」「8」「9」あたりの勘所を行き来する動きに慣れること。特に「8」は開放弦の一段上にあたる位置で、指を置く感覚を耳で確認しながら覚えると精度が上がります。テンポは72と遅めなので、急がずに一音一音の減衰まで聴く練習にも向いています。
まずはテンポを落として、開放弦から「6」「8」「9」への移動だけを繰り返し、指が迷わず勘所に着地するまで反復しましょう。次に文化譜通りの拍で通して弾き、休符の位置で音を止める感覚を確認します。最後に自分の演奏を録音して聴き返すと、勘所のズレやリズムのもたつきに気づきやすくなります。二上りの響きに耳が慣れてきたら、他の二上り曲にも進んでみましょう。